車ごと乗り込んで、海の上で一晩過ごして、北海道に着く。その移動手段そのものが、もう旅の一部だと思っています。
今回は私が実際に乗った新日本海フェリーと太平洋フェリーの乗船記をお届けします。
乗船前、列に並んでいる時間からすでに旅が始まっている
乗船前、車の列に並んでいる時間が好きです。
何十台もの車が同じ方向を向いて並んでいる。荷物をたっぷり積んだ車たち。旅行の人もいれば、仕事の人もいる。みんなそれぞれの目的を持って、同じ巨大な船に乗り込もうとしている。なんとなく仲間意識みたいなものが湧いてくるんです。
そして港に停泊している船のでかさに毎回びっくりします。「これに今から乗れるんだ」というしみじみとした感動は何度乗っても消えない。
北海道へ向かう時は「次はどんな場所だろう」というワクワク。北海道から帰る時は「東北に帰れる」というホッとした気持ち。同じ列に並んでいても、方向によって胸の中が全然違います。
乗ったら即・大浴場、そして即・寝る。私の船内スタイル
正直に言います。私は船酔いするので、乗ったらまず大浴場に直行して、バーッと頭・身体を洗い湯船で疲れを癒しそのままベッドへ直行。それだけです(笑)。我ながら潔い。
体調が良い時は、外のデッキや船内のソファでぼーっと海を眺めています。陸が見えなくなって、どこまでも海だけが広がる景色。普段の忙しい日常では絶対に見られない時間です。看護師の仕事は体も気持ちも使う仕事なので、このぼーっとできる時間が私にはちょうどいいリセットになっています。
スマホが使いにくい環境なので、動画や音楽は事前にダウンロードしておくのがおすすめです。
初めてのフェリー、乗り方がわからなくて不安だった話
最初に乗る時は不安でした。「どうやって乗るんだろう」「何時間前に行けばいいんだろう」「間違えたら恥ずかしい」と、乗船前からドキドキしていました。
でも全然大丈夫でした。予約後に届くメールに手順が詳しく書いてあります。港に着くと係員の方が声をかけてくれて、「どこ行きですか?」「苫小牧です」「ではこの列へどうぞ」と丁寧に案内してくれます。乗船時間になったらまた誘導してくれて、車を船内に入れたらサイドブレーキの確認まで声をかけてもらえます。
女ひとりでも全然問題なかったです。初めてでも流れに乗っていれば大丈夫です。
個室に一人で泊まったら、さみしかった話
一度、奮発して個室を取ったことがあります。
結果、さみしかったです(笑)。
いつもの船酔いに加えて、外の音も聞こえないし、一人だと広すぎて逆に落ち着かない。静かすぎてなんか変な感じ。それからはカーテンで仕切られる女性専用の半個室タイプにしています。適度に人の気配があって、でもプライバシーもある。これが私にはちょうどよかったです。半個室タイプはお値段もリーズナブルでおすすめです。
すれ違いの汽笛、あれがロマンの正体だった
新日本海フェリーで一番印象に残っていることがあります。
航行中に同じ会社のフェリーとすれ違う時、船内アナウンスで教えてくれます。デッキに出ると、広い海の上で二隻の船が汽笛を鳴らして挨拶を交わしているのが見えます。
その瞬間がなんとも言えなくて。広大な海の上で、同じ時間にすれ違う二隻の船。それだけのことなんですけど、ロマンしかありません。これを体験してから、フェリーへの愛がさらに深まりました。
スマホが使えない時間が、人生を振り返る時間になった
することが少ない時間。最初は手持ち無沙汰だったんですが、なんとなく自分の人生をぼんやり振り返るようになりました。船の上でしかできない贅沢な時間の使い方です。
20代の、最初に就職した三次救急の病院でずっと働くんだろうなと思っていました。あの頃は周りに辞める人もほとんどいなかったし、辞めると言った時には「え、どうするの?」と心配されたくらい。
それが今、こうして別の土地で仕事をして、フェリーで北海道に向かっている。20代の自分が想像していた未来とは全然違う。でも、それでよかったと思っています。いろいろあったなあ、頑張ってきたから今があるんだな、と思える時間です。フェリーの上でしか、こういう気持ちにはなれない気がします。
フェリーは移動じゃなくて、旅の一部
陸路で何十時間も運転するより、車を積んで寝ている間に北海道に着く。それだけでもう、フェリーはロマンだと思っています。派遣の仕事をしていると、引っ越しのように荷物を積んで移動することが多いです。でもフェリーの時間だけは、そんな慌ただしさがリセットされる感じがします。海の上で、ただぼーっとしていい時間。それが私にとってのフェリーのロマンです。
フェリーが好きな方、一人旅が気になっている方に少しでも参考になれば嬉しいです。料金やルートの詳しい比較は、別記事でまとめる予定です。お楽しみに。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
太平洋フェリーと新日本海フェリー、 どちらがいいか比較した記事も書いています。 よかったらこちらの記事も読んでみてください。
