※この記事は私の体験談です。健康保険の扱いは雇われ方や健康保険組合、お住まいの市区町村、そのときの状況によって変わります。手続きの前に、ご自身の勤務先と市区町村の窓口でご確認ください。
派遣の契約が終わって、次がまだ決まっていない期間。
お金のこと、住むところのこと、心配ごとはいろいろあるのですが、一番心配になったのがこれです。
保険証、どうなるの問題。
先に、いちばん気になるところから書きます。会社の健康保険を抜けても、保険が「ない期間」ができるわけではないみたいです。抜けたその日から、国民健康保険のほうに移っている、という考え方なんだそうです。市役所でする手続きは、それを届け出るためのもの。
私も以前、この宙ぶらりん期間を経験しました。契約が終わってから次の職場で働き始めるまで、ざっくり2週間。実家に帰って過ごしていたのですが、この2週間のうちに、しておきたいことがありました。歯の治療と、身体の検診と、後回しにしていた受診です。
働いているあいだは、離れていることもあり、なかなか行けないんですよね。だから、この期間に行きたかった。そして、そのためには保険証が要る。
まず、自分の保険がどこから出ているかを確かめる
働きながらだと意外と意識しないのですが、健康保険と厚生年金に入れてくれているのは「雇い主」です。看護師の働き方だと、ここが2通りに分かれます。
| 雇い主 | 書類を頼む先 | 契約が終わったあと | |
|---|---|---|---|
| 派遣(派遣会社に雇われている) | 派遣会社 | 派遣会社 | 同じ派遣会社で次が近ければ、そのまま続けられる |
| 応援ナース・非常勤など(施設に直接雇われている) | 施設 | 施設 | 契約が終われば、そこまで |
同じ「派遣っぽい働き方」に見えても、ここが違うと動き方が変わります。
私はここでやらかしたことがあります。応援ナースの仕事を探していて、てっきり派遣会社に雇われる形だと思っていたら、直接雇用の応援ナースでした。求人を探すときに「派遣」と「パート・非常勤」で区分が分かれていること自体、当時の私はよく分かっていなかったんです。応援ナースにも両方あるとは思っていませんでした。
なので、あまり人のことは言えないのですが。雇用形態が変わると何が引き継がれなくなるのかは、自分の失敗としてこちらに書きました(→【スーパーナースの評判は本当?派遣と応援ナース、両方やった私の正直レビュー】)。
保険が「ない期間」ができるわけではないみたいです
ここが、調べていて一番ほっとしたところです。
会社の健康保険を抜けると、その日から国民健康保険のほうに移っている、という考え方になるそうです。届出をしたから入るのではなくて、もう移っていて、まだ届け出ていないだけ。届出の期限は14日以内とされています。
「無保険の2週間」があるのではなくて、「まだ届け出ていない2週間」があるだけ。……といっても、私がこれを知ったのはずっとあとのことです。当時はそこまで分かっていませんでした。
そのかわりに、ひとつだけやっていたことがあります。市役所に先に電話をかけて、「退職証明書でも手続きできますか」と聞いておいたんです。できますよ、と言ってもらえた時点で、心配していたことの半分くらいはなくなっていました。
ただ、届け出ていない状態で病院にかかると、窓口ではいったん全額を払うことになります。あとから返してもらえる仕組みはあるようですが、そのぶん手間が増えます。それに、届出が遅れても保険料はさかのぼって計算されるので、待っても得はしません。
私の場合、次に働く場所が決まっていなかったので、空いた2週間を、有意義にしたかったです。働いていると後回しになってしまう検診や治療を、この期間にまとめて。自分の身体の不調を労わる時間にしたかった、という感じでしょうか。
なお、空白が長引きそうなときは、それまでの健康保険を続ける「任意継続」や、家族の扶養に入るという道もあります。ただ、どちらも手続きの期限や条件があって、数週間のつなぎで選ぶ人はあまり多くないようです。長引きそうなときに窓口で聞いてみる、くらいでいいと思います。
派遣のままなら、社会保険も有給も続きます
ここは私が実際に経験していることなので、はっきり書きます。
派遣で働いているとき、雇い主は派遣会社です。だから派遣先が変わっても、派遣会社が同じなら、社会保険も有給もそのまま引き継がれました。 職場は変わっているのに、保険証の手続きは何もしていません。
「継続できますか」と派遣会社に聞いてみた
契約が終わりそうなとき、思いきって担当部署にメールで聞いてみたことがあります。「契約が終わるまでに次の働き先を見つければ、社会保険は継続されますか」と。
返ってきた答えが思っていたより具体的だったので、要点を書きます。私が使っていたのはスーパーナースです。
- 契約が月末で終わるなら、翌月末までに次の派遣先で働き始めれば、社会保険は継続される
- もしくは、単発の勤務を月80時間入れれば継続される
- どちらも満たさなかった場合は、契約が終わった日にさかのぼって脱退になる
2つ目、私は聞くまで知りませんでした。次の派遣先がまだ決まっていなくても、単発で埋めれば続けられる道がある、ということですよね。単発を「おこづかい稼ぎ」くらいに思っていたので、これはちょっと見方が変わりました。
そして3つ目。これ、地味にこわくないですか。続いているつもりで待っていたら、あとから「続いていなかったこと」になる、ということです。
もちろんこれはスーパーナースの答えなので、会社が違えば条件も違うはずです。ただ、聞けばここまではっきり教えてもらえる、というのは覚えておいて損がないと思います。私は「こんなこと聞いていいのかな」と少し身がまえていたのですが、ふつうに丁寧な返事が来ました。
スーパーナース、実際どうなの?と思った方もいるかもしれません。良かったところも、私がやらかした失敗も含めて、こちらに書きました(→【スーパーナースの評判は本当?派遣と応援ナース、両方やった私の正直レビュー】)。
聞き方は、そんなに構えなくて大丈夫です。「次まで少し空くかもしれないんですけど、保険どうなりますか?」で伝わります。
ただ、このときの私は当てはまりませんでした
辞めたのが、直接雇用の職場だったからです。
直接雇用は、雇い主が施設そのものです。だから、その施設を離れればそこで一度切れます。次の職場が決まっていても、引き継がれません。上に書いた「翌月末まで」も「単発で80時間」も、派遣会社に雇われているから使える話であって、直接雇用には効きません。
派遣と応援ナースで大きく違うのが、この一点だと思います。
退職証明書を持って、市役所へ
さて、ここからが実際にやったことです。
本来、市役所に持っていくのは「資格喪失証明書」です。ただ、今はこれが郵送で届くのを待つ形ではなくなっていました。私のときはマイナポータルにお知らせが届いて、そこで確認する形だったんです。
便利なのですが、困ったことがひとつ。すぐに受診したかった。
そこで、辞める施設のほうに退職証明書をお願いしておいて、退職日に受け取りました。それを持って市役所へ。
窓口で「派遣の契約が終わったので、国民健康保険に入りたいです」と伝えて、退職証明書を出しました。先に電話で聞いていたとおり、そのまま進めてもらえました。ただ、たぶんどこかに確認をしてくださっていたんだと思います。少し待ちました。あの数分、やたら長く感じました💦
そして、その日のうちに国保に入れました。
マイナンバーカードのほうにはすぐには反映されないので、代わりに「国民健康保険資格確認証」という紙をその場で出してもらえました。私はそれをクリニックに見せて、そのまま治療を3割負担で受けることができました。
身がまえていたわりに、あっさりでした。
この宙ぶらりん期間に何を考えていたのかは、それだけで1本書いています。決まらない時期の気持ちのほうを知りたい方はこちらもどうぞ(→【派遣看護師、更新しないと決めた。次が決まらなくて眠れなかった話】)。
【2026年8月から】紙の保険証は、もう使えません
ここは今年変わったところなので、少しだけ。
紙やカードの健康保険証は2024年12月で新しい発行が終わり、そのあとの経過措置も2026年7月末で終わりました。8月からは、期限切れの保険証を病院の窓口に出しても保険診療を受けられません。
いま必要なのは、このどちらかです。
- マイナンバーカード(健康保険証として使う登録をしたもの)
- 資格確認書
資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない方や、保険証として使う登録をしていない方に交付されるものです。国保なら市区町村から、会社の健康保険なら協会けんぽや健康保険組合から届きます。
ひとつ紛らわしいのが「資格情報のお知らせ」という紙です。これは資格確認書とは別のもので、マイナンバーカードと一緒に使う補助的な書類なんだそうです。名前が似ているので、届いたら中身を確かめてみてください。
それから、マイナンバーカードに入っている電子証明書には5年の有効期限があります。カード自体は10年もつので、うっかりすると期限が切れたまま気づきません。私も一度、通知の封筒を「またなにかの案内かな」と置きっぱなしにしていました。役所からの封筒って、なんであんなに事務的なんでしょうね💦
年金の手続きも、同じ窓口でできました
忘れがちなのが年金のほうです。
厚生年金を抜けると、こちらも国民年金への切り替えが必要になります。手続きは市区町村の窓口か年金事務所で、私は国保の届出と同じ日にまとめて済ませました。
収入が少ない時期は、保険料の免除や納付猶予という制度もあるそうです。使えるかどうかは条件次第なので、「次の仕事が決まるまでの期間で、いまは収入がありません」と窓口で伝えて、聞いてみるといいと思います。
まとめ
派遣の合間の保険証。こわいのは「保険がない期間ができること」だと思っていました。でも実際にやってみたら、こわかったのは、何が起きているのか分からないままだったことのほうでした。先に電話で聞いて、退職証明書を持って窓口に行って、その日のうちに紙を1枚もらう。書いてしまえば、それだけのことだったんです。
それでも今回この記事を書くために調べてみたら、知らないことがまだたくさんありました。単発で埋めれば社会保険が続くことも、条件を満たさないとさかのぼって脱退になることも。知らないままだと、ただぼんやり不安なだけで終わってしまいます。裏を返せば、聞けば教えてもらえることばかりでした。
だから「保険のことがよく分からないから派遣はやめておこう」と思っている方がもしいたら、そこは立ち止まる理由にしなくて大丈夫だと思います。ちょっと面倒な用事、くらいのものでした。
これから派遣で働いてみようかな、という方は、登録から初出勤までの流れをこちらにまとめています(→【派遣看護師になるには?登録から働くまでの流れを実体験で解説します】)。更新を断ると決めたあと、職場にどう伝えたかを知りたい方はこちらです(→【派遣の更新を断るのは簡単だった。つらかったのは、職場に言う瞬間】)。
最後にひとつだけ。退職証明書は、辞める前にお願いしておくと安心です。あとから連絡するより、まだ顔を合わせているうちのほうが頼みやすいので。
次が決まるまでの数週間は、宙ぶらりんで落ち着かない時間です。でも、身体を整えたり、後回しにしていたことを片づけたりできるのは、この期間だけだったりします。
保険の手続きは、その時間を安心して使うための、いちばん最初のひとつ。ここを先に済ませておくと、あとの日々がずいぶん軽くなります。
私は、人の身体のことにはあれこれ気がつくのに、自分のこととなると「まあ、あとでいいか」になりがちです。次の場所へ向かうまでのこの数週間くらいは、自分のことを後回しにしないで過ごせたらいいですね。

