友人夫婦の仲のよさを見たとき。夜、なんとなく恋愛ドラマを見ていたとき。
ふとした瞬間に「私には何もないな」と思う日があります。毎日ではありません。でも、たしかにあります。
そういう日は、理由を探そうとするとどんどん深いほうへ行ってしまうので、最近は探すのをやめました。落ち込む日はある。そういう日なんだな、と思って風呂に入って寝るようにしています。
私はアラフォーの独り身で、いま派遣看護師をしています。この答えに対する「正解」は持っていません。こんな人もいるよ、というくらいで読んでもらえたらうれしいです。
派遣と出会ったのは、探していたからではありませんでした
私はもともと、病院で常勤として働いていました。
辞めたあと、一年ほど海外にいました。帰ってきてからも「また行きたいな」という気持ちが残っていて、だったら数か月だけバイトでもしようかな、くらいのことを考えていたんです。
それをすでに派遣をしていた看護師の友達に話したら、「それならピッタリな働き方があるよ」と教えてくれました。それが出会いでした。
自分で探し当てたわけでも、決意して選んだわけでもありません。教えてもらって、じゃあ登録してみようかな、と思っただけでした。
いま思えば、あのときの私が求めていたのは、腰を据えて働ける場所ではなくて、「数か月だけ」でした。それにたまたま形が合っていたのが、派遣だったというだけの話です。
行きたかった場所で働けたのは、数年たってからでした
登録してからしばらくは、地元のエリアで派遣先を探して働いていました。近いところで。
北海道に応援ナースとして働いたのは、そこから数年たってからです。
前から行ってみたい場所ではありました。でも旅行で行くのと、そこで働くのとは別のことだと思っていましたし、思い立ってすぐ動けたわけでもありません。地元で何年か働いて、そのあとにようやく、という順番でした。
いざ決めてからは早かったです。決めて現地に着くまでの日数は、それだけで1本書いています(→【派遣看護師、面談して16日後には北海道にいた話。】)。
そうして、車ごとフェリーに乗って渡りました。
旅行では見えないものが、見えました
これが、派遣をやってよかったといちばん思うところです。
旅行だと、いいところしか見ません。景色がきれいで、ごはんがおいしくて、それで帰ってきます。
でも数か月住むと、そこがどういう場所なのかが分かってきます。買い物にどれくらいかかるのか。冬がどんなふうに来るのか。地元の方がどんな暮らしをしているのか。観光地に行かない日のほうが、ずっと多いんです。
その「行かない日」のほうに、本当のその土地がありました。
大変なこともありました。それも含めて、知れてよかったと思っています。行きたかった場所を、行きたかっただけで終わらせずに済んだので。
やってみて、独り身だからやりやすかったこと
これは、あとから気づいたことです。
まず、動くときに誰とも相談しなくてよかった。行く・行かないを決めるのに、他の人の予定を組み込む必要がありませんでした。ここは、家族がいる方と比べたら、楽だったと思います。
それから、寮のある求人を選べたこと。荷物を最小限にして、そこで数か月暮らして、また次に移る。この身の軽さは、ひとりだからできたことでした。
ひとりで知らない土地に住んで、休みの日はどうしていたのか。気になる方もいると思います。私はだいたい車を出して、行きたかったところに出かけていました。その1日のことは、こちらに書いています(→【応援ナースの休みの日って、何してるの?北海道で車中泊ひとり旅に出た話】)。
気づいたら、この働き方が自分に合っていました
派遣を選んだとき、私は「これが自分に合う働き方だ」と分かっていたわけではありません。
数か月ごとに職場が変わることも、最初は不安のほうが大きかったです。人間関係も、そのたびに一から。それでも続けてこられたのは、期間が決まっていることが、私にとってはむしろ楽だったからでした。
合わない場所でも、終わりが見えている。合う場所なら、その期間を大事にできる。私はどうやら、この距離感のほうが息がしやすいみたいです。
これに気づくのに、何年もかかりました。先に分かっていたら苦労しなかったのに、とも思いますが、たぶんやってみないと分からないことだったんだろうな、とも思います。
いいことばかりではありません
正直に書いておくと、大変なところもあります。
まず、契約が更新されないことがあります。こちらが続けたいと思っていても、施設の都合で終わることはある。切られた、という感じ方をした時期もありました。
それから、職場が変わるたびに一からです。物の置き場所も、記録の書き方も、人の名前も、全部おぼえ直し。ようやく慣れてきたな、と思うころに終わります。それを何度も繰り返してきました。
さっき「終わりが見えるのが楽」と書きましたが、その裏側がこれです。楽なところと大変なところは、同じ仕組みから出ています。 どちらか片方だけを持っていくことはできないんだな、と思っています。
独身だから派遣がいい、という話でもありません
常勤でコツコツ積み上げていく働き方は、それ自体がひとつの財産だと思います。結婚も家族も、素晴らしいものだと思っています。私が選ばなかったというだけです。
私が書きたかったのは、探していなかったのに出会って、やってみたら合っていた、ということがあるということです。
年齢についても同じで、応援ナースには50代60代の先輩がたくさんいます。年齢を理由に自分を外してしまいそうな方は、そちらもよかったらどうぞ(→【応援ナースは50代60代からでも遅くない。人生を自由に楽しむ先輩たちの話】)。
まとめ
「私には何もないな」と思う夜は、たぶんこれからもあります。なくなるものではないと思っています。
ただ、その夜に思い出せるものが、少しずつ増えました。北海道の冬とか、出会った利用者さんのこととか、数か月ごとに変わった職場のこととか。積み上げたつもりはないのに、気づいたら手元にありました。
この先どうなるかは、私にも分かりません。ずっとこの働き方でいくのかも決めていません。それでも、いまのところ困っていません。 独身のまま看護師を続けて、期間で区切って働く形に落ち着いて、これで大丈夫だなと思えています。
落ち込む夜があることと、働き方がうまくいっていないことは、たぶん別のことなのでしょう。同じ日の同じ自分の中にあるので、つい一緒に考えてしまうのですが。
私の働き方のように、最初の始め方だけ知っておきたい、という方は、こちらにまとめています(→【派遣看護師になるには?登録から働くまでの流れを実体験で解説します】)。実際に使った会社の話は、良かったところも失敗も含めてこちらに書きました(→【スーパーナースの評判は本当?派遣と応援ナース、両方やった私の正直レビュー】)。
眺めているだけの時期があっても、いいと思います。私もそうでした。
独身の看護師がひとり、こんなふうにやっていますという話でした。ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

