北海道で働いてみたいな、と思ったことはありませんか?
私は応援ナースとして1年だけ北海道で暮らしました。行く前にいちばん気になっていたのは、実は仕事のことではなくて、冬のことでした。
どのくらい寒いんだろう。車の運転はどうなんだろうか、光熱費って、いくらくらいかかるんだろう。
調べてみても「北海道の冬は厳しい」と書いてあることが多くて、実際の金額まで書いてくれている方は、あまり見つかりませんでした。
なのでこの記事には、私が実際に払った光熱費を、そのままシェアしますね。寒さのことも、水抜きのことも、買い物のことも、私が経験した範囲でそのまま書きます。
北海道で働こうか迷っている方の、心の準備になったらうれしいです。
灯油、自分で入れなくていいんです
行ってみて、最初に「すごい!助かる!」って思ったのがこれでした。
北海道のアパートには外に灯油のタンクがあって、それがストーブと直接つながっています。
本州のファンヒーターだと、灯油がなくなるたびにポリタンクから継ぎ足しますよね。あれをしなくていいんです。寒い日に玄関先で給油する、あの作業がないというのは、思っていたよりずっと楽でした。
私のアパートのタンクは90リットルでした。
最初のうちは、減ってきたら自分でガソリンスタンドに電話をして、そのたびに来てもらっていました。
そうしたらあるとき、スタンドの方のほうから声をかけてくださったんです。定期的に見に来て、減っていたら足しておく形にしましょうか、と。
たぶん地元の方は、みなさんその形にしているんですね。私が他から来た人間で、そういう仕組みがあることを知らないだろうと思って、教えてくれたんだと思います。
それからは、こちらが連絡しなくても月に2回ほど来てくださって、タンクのメモリを見て、減っていたら足していってくれるようになりました。レシートは部屋の郵便受けに入れておいてくれて、後日そのぶんを払いに行く。そんな流れです。
知らないことを、聞く前に教えてもらえる。 北海道では、そういう場面が何度かありました。
ひと冬の灯油代は、36,327円でした
金額の話です。私の冬の明細を、そのまま書いておきますね。
10月から2月までの、月ごとの記録です。
| 月 | 来てもらった回数 | 入れた量 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 10月 | 1回 | 69L | 9,336円 |
| 11月 | なし | — | 0円 |
| 12月 | 1回 | 76.2L | 9,974円 |
| 1月 | 2回 | 69L | 8,980円 |
| 2月 | 2回 | 62L | 8,037円 |
合計で276.2リットル、36,327円でした。
見ていて自分でも「なるほど」と思ったのが、11月がゼロだったことです。10月に入れてもらったぶんで、ひと月まるまるもってしまったんですね。まだそこまで寒くなくて、寒いときだけストーブを使っていたので、タンクが余りました。
そして12月からは、毎月かかるようになります。
1月と2月になると、月に2回来てもらっています。 それまで1回で足りていたのが、途中で足りなくなる。同じタンクなのに、減っていく速さがまるで違いました。
金額だけ見ると、冬のあいだは月8,000円から10,000円くらいという感じです。
ただ、これは私が住んでいた年の記録です。最近は灯油そのものが値上がりしているので、今はもう少しかかるかもしれません。
同じ北海道でも、灯油代は人によって全然違いました
灯油代の話を職場ですると、「うちはもっとかかるよ」「うちはそこまでじゃないな」と、いろんな声が返ってきました。
聞いてみると、使い方が本当にみなさんばらばらなんです。
- 基本、一日中つけている家庭
- ペットがいるお家は、留守のあいだも部屋を冷やせないので、つけっぱなし
- 寝る前に消して、朝方タイマーでつくようにしている方
- 家にいるときだけつけている方
つまり灯油代は「北海道だからいくら」というより、その人の暮らし方で決まるところが大きいのかなと思いました。
私はというと、日中自分が家にいるときだけつけて、夜は消して寝る派でした。朝は5時ごろにタイマーをかけておいて、起きたときに部屋が暖まっているようにする。そして仕事に出るときに消す。そんな使い方です。
上の金額は、この使い方でのものだと思って見ていただけたらと思います。つけっぱなしにする方なら、たぶんこの倍近くいくと思います。
意外だったのは、電気代より水道代でした
電気代は、思っていたほど上がりませんでした。冬でもプラス1,000円くらいだった気がします。
それより「あれ?」と思ったのが、水道代のほうでした。
基本一人暮らしなら水道+下水道合わせて月1,500円くらいかな、と思っていたのですが、私が住んでいた地域は合わせて月3,000円ほどかかりました。
気になって少し調べてみたのですが、水道料金って自治体ごとに決められているんですね。そして、人が少なく散らばって住んでいる地域ほど、水道代は高くなりやすいそうです。
家と家が離れているぶん、長い距離の水道管が必要になる。その設備をつくって、直して、維持していくお金を、少ない人数で分け合うことになる。だから一人あたりの負担が大きくなる、ということのようです。全国で見ると、いちばん安い自治体と高い自治体で何倍もの差があるとも書いてありました。
北海道だから高いというより、その土地の事情なんだなと思います。冬に上がったわけではないので、住む場所を決めるときに、水道代も一度見ておくと安心かもしれません。
「今日は18度だって!」の意味が、最初わかりませんでした
寒さの話も、少しだけ。
1月から2月は、気温がマイナス10度を下回る日が続きます。
印象に残っているのは、職場でのこんな会話でした。
「今日は18度だって!」
え、18度? と一瞬思いました。マイナス18度のことなんですね。地元の方はわざわざ「マイナス」を付けずに話すんだなあ、と感慨深かったです。
-18度の世界はというと、
- 息を吸い込むと、肺が急激に冷え、空気の通り道を実感できます
- 自分の鼻毛の存在と位置が、はっきり把握できます(笑)
- そして頬、指先は、寒いというより痛いです
「寒い」という言葉だけでは全く足りない感じです。
氷点下で、車のオイルランプが点灯した話
車のことも書いておきます。これは、ちょっと焦った出来事です。
あまりに気温が下がった日に、車のエンジンオイルのランプが点きました。
初めての経験でどうしたらいいものかと悩みました。そしてそのときは車に乗らず、そのまま様子を見ることにしました。すると次に乗ったときには、もう表示は出ていませんでした。そのあとも問題なく走ってくれました。
あとから知ったのですが、この手のランプが点いたときは、そのまま走り続けないのが基本なんだそうです。オイルが足りていなかったり、うまく回っていなかったりする状態で走ると、エンジンを傷めてしまうことがあるとのことでした。
私の場合はたまたま乗らずに様子を見ていたので、結果的にそれでよかったみたいです。ただ、寒さのせいだったのか別の原因だったのかは、正直はっきりしません。もし何度も点くようなら、見てもらったほうが安心だと思いました。
車ごとフェリーで北海道に渡ったときの話も記録してあります。荷物をどう積んだか気になる方は、こちらもどうぞ(→【北海道に私のすべてをつめて車ごと全部持っていった話。タイヤまで】)
水道管の凍結・破裂を防ぎたい!が、聞く人によって全然違いました(笑)
氷点下になる北海道では冬の一大ミッションがあります。それは水道管を破裂させないこと!その方法の一つとして「水抜き」というものがあります。水道管の水を抜いておかないと、中の水が凍って管が破裂してしまうのです。
言葉は聞いたことがありましたが、今まで私には経験がなかったのでそこが心配でした。私にはいろいろな疑問がありました。水抜きの頻度は?気温によってした方がいいのか?手順は?水を抜く場所は?等いろいろ頭に浮かびました。
で、これがですね。職場の方に聞いても、答えが人によって違うんです。
「2、3日空けるならやったほうがいいよ」という方もいれば、別の方はまた違うことをおっしゃる。何日空けたらやるのか、どこまで抜くのか、聞いてもはっきりした答えが返ってこない。何人にも聞いたのに全部ばらばらで、正直、本場の人たちなのにどうしてこんなに答えが違うんだろう、と思いました(笑)
でも、何人にも聞いているうちに。
「暖房つけてれば大丈夫だよ」
そう言う声が、けっこう多かったです。
そうなんですよね。ストーブをつけっぱなしにして、常に部屋が暖まっている環境なら、部屋が冷えにくいので、水抜きの必要もそこまでないのかもしれません。でも一人暮らしで節約志向の私のように、夜は消してしまう人だと、話が変わってきます。
つまり水抜きの答えがばらばらだったのは、さっきの灯油代の話と同じ理由でした。暖房をどう使うかが、人によってまるで違う。その前提がそろっていないまま話しているので、答えもそろわないんですね。
自分でも調べてみて、遠出したり家を空けたりするときは念のためにやっておこう、というところに落ち着きました。
私が実際に水抜きをしたのは、1泊2日の旅行に行くときです。2月の中ごろの、いちばん寒い時期でした。
水を抜いたのは、トイレ、台所、お風呂のシャワーと蛇口。それから洗濯機も、ホースを外して水を抜きました。そこまでやるんだ、とこれにも驚きました。
みなさんに共通していたのは「水道管を破裂させたくない」という気持ちでした。破裂すると修理にお金がかかりますからね。だからそれぞれ、自分の家と自分の暮らし方に合ったやり方に落ち着いていったのかなと思います。
この経験が、どなたかの役に立ったらうれしいです。
窓からの隙間風を感じた夜
私のアパートは、正直なところ、なかなか年季が入っていました。とても古かったのです。
窓が大きくて、冬になると隙間から風が入ってきているのを感じるくらいで。
なのでホームセンターで隙間テープを買ってきて貼りました。それだけでも、だいぶ違った気がします。
寮の当たり外れについては書きたいことがたくさんあって、別の記事にしました。派遣の寮ってどんな感じなんだろう、と気になっている方はこちらもどうぞ(→【派遣看護師の寮、おったまげた話。虫と同居からバナナスタンド付きまで。】)
スーパーまで片道50分。買い出しは月に1回でした
生活のことでもうひとつ大きかったのが、買い物です。
私が住んでいたところは、大きなスーパーまで片道50分でした。なので買い出しは月に1回、まとめてです。
そこで欠かせなかったのが、保冷バッグと、どでかい保冷剤でした。50分かけて帰るので、これがないと生鮮品がもちません。
買うのは食材と冷凍食品、野菜、お肉やお魚、それからお菓子。ひと月ぶんをまとめてカートに積んでいく感じです。
あと、たまに無性にケンタッキーとかハンバーガーが食べたくなる日があるんですよね。近くにないので、街に出た日にちゃんと食べて帰りました。
アイラップが本当に活躍しました
月に1回の買い出しを乗り切るために、私がやっていたことがあります。
買ってきた野菜を、その日のうちに切ってアイラップに小分けしておくんです。
白菜、もやし、キャベツ、きのこ類。これを切って、アイラップ5つくらいに分けて「野菜パック」を作って冷凍しておきます。
これが本当に助かりました。疲れて帰ってきた日に、スープにも味噌汁にも野菜炒めにも、そのまま使えます。切るところから始めなくていいというのが、想像していたよりずっと楽でした。
お肉やお魚など日持ちしないものも、同じようにサランラップやアイラップに入れて冷凍していました。
それとセイコーマート。セコマには本当に助けられました。疲れた夜のセコマの話も1本書いているので、よかったらどうぞ(→【仕事に疲れた夜はセコマパーティーで整う。北海道派遣ナースの小さな幸せ。】)
それでも、通勤路に鹿がいる暮らしでした
ここまで、寒さと出費の話ばかりしてきました。
でも、住んでよかったかと聞かれたら、よかったと答えます!
仕事の帰り道に鹿がいる。最初は驚きましたが、そのうち見慣れた景色になりました(→【鹿ちゃん、理想と現実。北海道で野生の鹿と暮らした話。】)
どこまでも続く直線道路。信号が少なくて、何時間走っても不思議と疲れません。休みの日にふらっと出かけて、観光の季節でもない平日の湖を、ひとりで眺める。のびのびと放牧されている牛を眺めて癒される。
不便なことは、確かにたくさんありました。でもその不便さと引き換えに、あの静かさと広さがありました。旅行で何日か行くだけでは、たぶん分からなかったことだと思います。
休みの日にどんなふうに過ごしていたかも、それだけで1本になりました。知らない土地でひとりの休日をどう過ごすのか気になる方は、こちらもどうぞ(→【応援ナースの休みの日って、何してるの?北海道で車中泊ひとり旅に出た話】)
いきなり引っ越さなくても、住んでみることはできます
最後に、いちばんお伝えしたいことを。
北海道で暮らしてみたいなと思ったとき、いきなり家を借りて引っ越さなくても大丈夫です。
看護師には応援ナースという働き方があって、期間を決めて働く形なので、数ヶ月から半年、住んでみることができます。
しかも応援ナースは、基本的に寮がついています。家を探す必要も、家具をそろえる必要もありません。
光熱費まで無料の案件もありますが、そこは「無料だったらラッキー」くらいでいいのかなと思います。私自身は、寮費も光熱費も自分で払っていました。それでもその案件を選んだのは、ちょうどいい募集が他になかったこともありますが、その土地で働いてみたい、住んでみたいと思ったからでした。
条件だけで選ばなくてもいいのかな、と今は思っています。
住んでみて、合えばそのまま続けてもいい。もっと言えば、そのあとその土地に住むという道だってあります。合わなければ、契約が終わったところで、きれいに帰ってくればいい。
そういう選び方ができるのが、この働き方のいいところだなと思っています。
私が実際に使った会社のことは、失敗も含めてこちらに書きました(→【スーパーナースの評判は本当?派遣と応援ナース、両方やった私の正直レビュー】)
派遣看護師の始め方、登録から働き始めるまでの流れはこちらです(→【派遣看護師になるには?登録から働くまでの流れを実体験で解説します】)
最後まで読んでくれてありがとうございます。 派遣ナースの日常、またぼちぼち書いていきます。 気が向いたときにでも、またふらっと遊びにきてください。
